2008年3月17日月曜日

耳学問



これまで書いてきたように、私は大学院の研究室という場所でお仕事をしています。

研究室には「人間情報学講座」という壮大な名前がついているの。

もともとは人間の脳や身体の仕組みを工学的に研究して、それが機械とか器具とかを使う人間のインターフェースに役立つように研究する、というのが趣旨だったので、「ヒューマンインターフェース学講座」と言っていたのだけど、去年から名前が変更しました。

最近の研究室では、いろんな方面から取り組むことが多く、画像の解析をしていたり、実際にマウスを解剖して・・・・とかいう研究をしている人もいます。

そんな中で、先日、ある助手さんが「移動知研究会」とかいう会合に参加してきたの。

何でも知りたがりやの私は助手さんに尋ねてみました。
「移動知」って何のこと?

分かる人はいるかしら?

移動といえば、ある地点から別の地点まで動くことよね。
それを「知る」?とはどういうことかしら。

助手さんは私のようなど素人にも分かるように、丁寧に説明してくれました。

たとえば人間が歩くという動作をするとき、足元に岩がごつごつしているとか、じゅうたんでふわふわしているとか、そういった環境の変化を、視覚や聴覚や臭覚などで情報として受け取る、という観点が移動知の基本にあるんですって。

うーん、分かったような分からないような。

そして移動知の最近の傾向として、人間だけでなく、犬やネコ、サルなどの歩行を調査するのもいろんな研究に役立つそうよ。
確かにネコの歩き方なんか見ると、忍者みたいですものね。

そして今ではもっと小さな生き物、たとえばアリとかハチの生態を研究することも、工学的視点でも多くなっているんですって。

つまり生物学と工学の融合なのかしら。

そうだわ、「生工融合」とか言うって教えてくれたわ。

その助手さんが面白い話をしてくれたの。
たとえばハチなんかは、花の近くで、本当に「8」の字を描きながら飛んでいるんですって。

そしてその8を描きながら、「この近くにおいしい花が咲いているよ」とかいう情報をハチ同士で伝えているんですってよ!
どうしてそういうことが分かるのか、知らないけれど。

ふーん、面白いわね。

こういうお勉強は、人生に即役立つわけでもないけれど、でも楽しいのよね。

と、こんなふうに耳学問だけは、増えていきます。

そういう意味で、今の環境は興味がつきないわ。

今日の写真は、手入れを全くしていない小さな花壇にひょっこり咲いたマーガレット。
ほったらかしにしておいて、ごめんね~。

12 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

エーーッ!!ハチってそういう意味だったの!!面白い。コレは私でも、無理なく覚えられそう(笑)年ちゃんはほんとに何でも知っているので、面白い。私にも、耳学問、おすそ分けしてくださいね。楽しみにしていますので!

匿名 さんのコメント...

そもそもこういう研究をしようと考えるのは、どういうきっかけから何だろうね。
最初からこういう事に役立てようと目的が決まっているものなのだろうか。
それとも、面白そうなことを研究していたら、結果がこういうものに役立つという事を思いつくものなのかな?
時々、とんでもなく何の役にも立たないな、と思う事を研究している人がいるけどね。

おおしまとしこ さんのコメント...

トントンさん、8の字を書いてとぶから、「はち」というのは、違うかもしれないわよ。
でも、ハチが8のようにして飛ぶのは本当らしい。今度、もうちょっと詳しく聞いてみるわね。

おおしまとしこ さんのコメント...

諏訪ッチさん、研究者というのは、興味が尽きない人だと思いますね。普通の人なら見過ごしてしまうことを、面白がっている人だと思うわ。
だって、うちの先生は、「電気のスイッチを押すときの手の動き」を面白がっている人なんだから。そんなの普通の人は面白くもなんとも感じないだろうけど、それを面白がっているわけよ。
研究って、上司から「やってみろ」と言われてする研究もあると思うけれど、私の居る研究室はわりと自由なので、だいたいが自分の興味本位でやっているみたいね。
何かに役立てたい、というよりも役に立たないことでもするというほうが多いみたいに思いますね。

おおしまとしこ さんのコメント...

トントンさんへ
八の字が気になったので、調べてみました。
「ミツバチのダンス」というサイトがありました。
http://www.b-topia.com/story8.html
ノーベル賞受賞者の人が見つけたそうです。
ハチの踊り方で、花の咲いている場所がわかるそうです。
ハチ写真が好きな人は、是非、見てください。

匿名 さんのコメント...

ハチのボディランゲージおもしろいです。写真は新しいデジカメですか?
軽井沢の星野温泉で先生がついて自然探索をする企画が夏にはいつもあります。一度子供と参加したけれどものすごくおもしろかったです。花や鳥の観察。不思議な生命の知恵・・どうやってハチに花粉を運ばせるかとかすごく工夫しているのよね。これは神様の知恵を越えているのではないかしらと思うくらい・・

匿名 さんのコメント...
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おおしまとしこ さんのコメント...

カンカンへ
そう、新しいデジカメで花を撮りました。接写やズームができるのが楽しいわね。本当はもうちょっと高級なのが欲しかったのだけど、今の私のレベルならこれくらいでいいわ。
星野温泉って知りませんでした。親子で参加できるのは良いわね。でもそういった体験も中学生までかな。
生物のことを知ると、たしかに神様の存在を信じるようになりますね。すごいなーと思うばかりです。

匿名 さんのコメント...

としちゃんへ
お昼休みにあわててコメントを送ったら2度も送られていました。??
一つ消しておいてね。
星野温泉はやり手の社長?がいて「プロフェッショナル」にも出ていたようです。でもずっと前から野鳥の森など自然を守っていたようです。

おおしまとしこ さんのコメント...

カンカン、消しておいたわよ。
星のやエコツアーがあるけど、このことかしら?
http://www.hoshinoya.com/ecotour/index.html

匿名 さんのコメント...

HP見ましたが、夏になると宿泊者専用でなく、ピッキオの自然教室のようなものがありましたよ。ホテルを建て替えたので今はどうなっているかわかりませんが、恐らく開催されるでしょう。一人で野鳥の森を散策してもいいけれど、いろいろなことを教えてもらえるのはいいですよね。

おおしまとしこ さんのコメント...

そうね、鳥の名前とか花の名前とか教えてもらいながらお散歩ができたらいいね。そういうのを知っている人って、尊敬しちゃうわ。でも私など、聞いてもすぐに忘れてしまうのだけど。