2008年7月7日月曜日

懐かしの奈良町


<平城京だけではない奈良>

奈良って聞くと、すぐに「平城京」と思い出すのは、学校の歴史教育の影響かしら?

奈良といっても、1300年の昔に平城京ができてから、ずーっと同じ状態が続いていたわけじゃないのよね。

当然のことながら、都が平安京に遷都した後も、その後の鎌倉時代や南北朝時代、室町時代、江戸時代、そして明治・大正・昭和という時代にも、「奈良」の町、そのものは変化しながら存在していたわけです。

そういうことを強く感じさせたのが、「奈良町」というところ。
ここは平城京跡地というイメージだけではなく、明治や大正といった近代日本を思い出させる町でした。

そう、「懐かしの町」というフレーズにぴったりのところだと思ったわ。


<高校生以来の奈良訪問>

私にとっての奈良は、なんと高校生のときに行った修学旅行以来。

何年ぶりなんでしょう?

あの時はどこに行ったのかしら?
今となっては、すべて忘却の彼方。
はっきり覚えていないのだけど、法隆寺、若草山の鹿、長谷寺なんていういわゆる名所旧跡を巡ったのではないかしら。
古代のイメージそのものよね。
その修学旅行のイメージがいまだに身体に染み付いているわけ。

ところがね、今回、奈良に行ってみて、そこには私の知らなかった奈良を発見したの。

それが「奈良町」というところ。

奈良と奈良町と、どう違うって?

詳しくは、「るるぶ」ノスタルジック奈良町散歩をお読みください。

そうね、一言で言うと、不思議な懐かしさを感じさせる町かしら?

明治や大正時代の町並みを生かした個性豊かな小さな店が、たくさん繋がっているの。

そうね、京都の「町家」と同じようだけど、ちょっと違うかな?
もう少し庶民的なお店が多かったな。


<近鉄奈良駅>

奈良までは、京都から近鉄特急に乗っていったの。
近鉄という鉄道に乗ったのは、生まれて初めて。
京都、奈良、大阪、和歌山、三重、名古屋圏内を網羅しているの。
東京に住んでいるとそれほど大きな私鉄だとは思わないのだけど、なかなかの交通網なのよ。
「近鉄」と聞くと、プロ野球の近鉄くらいしか思い浮かばなかったけれど、関西の人にとっては、きっと生活には切り離せない足なんでしょうね。

京都から奈良までは40分くらい。近いのね。
らくらく通勤圏だわ。

奈良の駅前には行基さんの銅像があり、ここから噴水が湧き出ているのよ。
行基さんってたしか奈良時代のお坊さんで、全国を行脚した人よね。
そういう人の像が駅前にあるというのは、やはり歴史の町だな、と思わせるわね。

さて、奈良町はここからスタートするのです。


<ここは阿佐ヶ谷か?>

私の生まれ育った中央線荻窪の隣に、阿佐ヶ谷という駅があるの。

阿佐ヶ谷は駅からずっとアーケードが続き、七夕祭りで有名なところなんだけど、近鉄奈良も、そういうアーケードが繋がっていて、阿佐ヶ谷を彷彿させる町でした。

通りには名前がついているのだけど、おかしかったのが「餅飯殿通り」。
なんて読むと思う?
「もちいどのどおり」。
これがひらがなで書いてあるので、そそっかしい私は「もういちどどおり」だと思い込んでしまいました。

そういう通りには、小さいけれど、個性的なお店があって、藍染の布や、一品限りの手作り製品などが所狭しと置いてあるの。
外国人が喜ぶような古い着物や帯があったり、骨董品とまではいかないちょいと古いお皿や生活用品もいろいろ売っているお店もあって、毎日がフリーマーケットみたい。

そんな個性的なお店のひとつが、「風の栖」(かぜのすみか)


女性オーナーの思い入れがたっぷりのお店のようで、自分が着てみてたり、履いてみたりして本当に気に入った服や靴しか扱っていないのよ。

ハーブティーや無農薬のジュースを飲めるお庭も用意されているようです。ギャラリーやコンサート会場としても使えるんですって。
優雅な時間が過ごせそう。

本当ならもっとゆっくりとお店にいたかったけれど、でも、奈良はあまりに暑くて、お土産を選ぶゆとりもなかったわ。

使いやすそうなお皿もあったんだけど、旅の途中なのであきらめました。

いつもの旅行なら、必ず自分へのプレゼントとして、ピアスを買うのだけれど、ここには気に入ったのは、イヤリングしかなかったの。それが心残りだわ。


<奈良の観光政策>

奈良町を歩いていたら、あちこちでアンケート用紙を渡されたの。

どんな交通機関を利用してきたかとか、どこを見学したかとか、どこでどんなものを食べたかとか、今後どのような施設がほしいか(トイレとかベンチとかね)、いろんな質問があって、それに答えると奈良グッズをもらえるらしいのよ。

つまり、奈良もこれまでの遺産だけで生きていくのは困難だと判断したんでしょうね。
町をあげて新しい街づくりに取り組んでいるようでした。

もちろん、昔の良さを保存することはとても大切だし、それが文化というものだと思うのだけど、観光に生きる町としては、道路標識をきちんとするとか、分かりやすく歩きやすい街づくりをするもの大切でしょうね。

私としては、今回はあまりに暑すぎたので、道路に日陰が欲しかった!

あるお店の店先に、本物の抹茶のカキ氷が置いてあって、それがとても涼しげだったの。
そういう工夫をしてもらうと、嬉しいじゃない?


そんな思いを感じて、奈良駅を通り過ぎて、猿沢の池に向かったのでした。

(続く)

6 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

奈良にも行かれたのですね。
暑かったでしょ!
私も24日から大阪に行きますが
暑いので大阪天神祭りだけにしようか
迷っています。

おおしまとしこ さんのコメント...

奈良は盆地だから暑いのかしら?
大阪も暑そうですね~。
でも建物の中なら大丈夫でしょう。

私はいつも冷房の効き過ぎた職場にいて、あまり外を歩かないから、それでよけいに暑かったのかもしれないわ。
普段、エアロビなどで鍛えているつもりでも、お寺の玉砂利などの照り返しのある暑さは別物ね。

匿名 さんのコメント...

去年、おととしと奈良に行っているのだけど、訪れたのは、いわゆる名所旧跡。法隆寺とか、唐招提寺、薬師寺、奈良公園とか。
としちゃんのように、街の通りを散策して楽しむのが、旅上手なんでしょうね。私は方向オンチなので、知らない街を歩くのが、不安なの(笑)

匿名 さんのコメント...

暑い中お疲れさま~
奈良は父が良く好んで行っていました。
私は奈良町に昨年写真教室で撮影に行きました。ここは大好き。
お寺はどう写していいか迷うけど奈良町は風情があって被写体も多く楽しめました。
良ければ見てください。
http://blog.goo.ne.jp/sato4695/e/645d6897d111f05c51921f58a39bfe14
前後2日間載せています(笑)

季節を選んでまたお出かけ下さい。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさんは、奈良に連続して行っているのね。季節はいつだったのかしら?
私の頭には「奈良イコール暑い」がインプットされてしまっていて、できたら他の季節に行きたいわ。お寺は特に暑いことを発見したわ。

私は地方の小都市の町並みって好きなんですよ。大都会みたいに混雑はしていないけれど、適当にお店があって、意外とこじゃれたところがあったりするでしょ。

おおしまとしこ さんのコメント...

さとさん、拝見しましたが、ステキすぎます!
行く前に教えてもらえたら、よかったのに。
ならまち格子の家はガイドブックで見ましたけど、とにかく暑くて(しつこいね)そこへは行きませんでした。
10月に撮影会に出かけているのね。それは正解よ。
薬師寺のプロみたいな写真を見たら、私のダサい写真なんか、載せられないわ。