2008年12月4日木曜日

アントとソナタ


昨日は、地元のブログ仲間の情報に刺激されて、二つのものを鑑賞してきました。

朝の部は、地元の文化会館でやっている人形展。
「アントフォー作品展」です。

(アントフォーは、4人のおばさんという意味だそう)

Wさんのブログ

私は実はこの手の子供のお人形さんって、ちょっと苦手だったのよ。
なんだか淋しそうな感じがしていて、遠ざけていたの。

ところが、Wさんのブログを見て、子供の人形だけでないと書いてあったので、図書館に行くついでに寄ってみたの。


そうしたら、実物は、ポスターなどで見かける人形とはまるで違ったの。

そうね、大きさは20センチから30センチくらいなんだけど、顔ももちろん、髪の毛も、服も、靴もみーんな手作りで、その素晴らしさに圧倒されました。

ほんとは、なんだか上目使いの顔がいやだな、と思っていたの。

でも、ひとりひとりの顔がまるで違っていて、お爺さんはお爺さんの顔、少女は少女の顔というのが、素晴らしいわ。

もちろん和服を着た人形もあるのだけれど、私が気に入ったのは、ジャンパーを着たいわゆる現代風の少年の姿。
ちょっと世の中をすねたような眼をしていて、うまいなーと思いました。

お近くの方、12月7日まで開催されているそうなので、是非、足をお運びください。

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さて、夜の部は、やはり地元のブログ仲間Mさんに聞いて、「トウキョウソナタ」を見てきました。


Mさんのブログ

だってね、毎週水曜日は1000円で鑑賞できる日なんですもの。

この映画は、崩壊してしまった家族を描いたもの。
リストラされたお父さんが香川照之。
専業主婦のお母さんが小泉今日子。
そして大学生と小学6年生の息子が二人。

そういう家族を描いたものなんだけれど、初めのうちは普通ののほほんとした場面が続くの。
でも、ある日、この家に強盗(役所広司)が入ってから、場面は一転して、なんだか暗く怖いものになるのよね。

でも最後はピアノの才能を発揮した男の子が、ドビッシーの「月の光」のソナタを弾くシーンで終わるというもの。

あちこちで賛美され、小泉今日子もこれで何かの賞をもらった映画です。
香川照之もすごくうまい。

でもさ、ついつい、突っ込みをいれたくなっちゃうのよね。

1.男性は、リストラされたことを家族に黙ったまま、過ごせるものなのか?

2.ピアノもないような家に育って、急に天才的に弾けるようになるものなのか?

3.海に入水したお母さんの服が、すぐに乾いているのは、なぜか?

4.小泉今日子がきれいなので、大学生の息子といるところは、若いツバメに見えてしまう。

5.「トウキョウ」と名乗っているのに、その場面が渋谷だったり、品川だったり、北区だったり、一貫していない。

なーんてね。

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監督が描こうとした家族像というのもあると思うのだけど、私が思うに、この黒沢清監督という人、きっとご自身が男ばかりなのかもしれない、ということ。

少なくとも女の子のいる家では、普通はもっと家族同士でぺちゃくちゃおしゃべりが多いだろうし、お互いに何をやっているのか分からないということはないと思うのよ。

男の子ばかりの家って、こんなふうなのかな?
私自身は女姉妹だし、娘しかいないので想像できないんだけれど。

次男を演じた男の子、すごくいいなと思いました。将来性ありよ。

このレイトショーは今週まで。

こんどは「クライマーズ・ハイ」もあるそうで、それも楽しみ。

12 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

2.は、私も全く同感!ピアノの先生の井川遥は妖しい魅力的があって、なんかするんじゃないかと思ったけど(笑)、フツーだった。
3.も、ヘンと言えばヘンね。キョンキョンは魔法使いか。

でも、次男が「月光の光」を弾くラストーシーンは、家族の再生を予感させて、後味は悪くなかったわ。
うまく納まった、といえばそれまでだけど。

クライマーズ・ハイはよかったですよ。期待していてね♪

匿名 さんのコメント...

朝・夜2つ。充実してますね。
私もこの手の人形はあまり興味が
湧きませんが、ちゃんと観ないで言うのは
失礼だったと反省。
実物を拝見すると変わることもあります
ものね。

映画も良く観るんですね。
マサさんととしちゃんの疑問や、感想は
的を得ていて、なかなか辛辣で面白いわ。

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、私も井川遥と何かあるのかなとハラハラ思っちゃったけど、マサさんが特に書いていなかったので、ふーんそうなのかと思いました。
ラストシーンはよかったわね。
4ヶ月でピアノがあんなに上手になれたらいいわね。

おおしまとしこ さんのコメント...

蘭さん、そうなんですよ、人形は食わず嫌いだったけれど、実物を見て変わりましたね。
子供のころ、お人形さんの洋服を作るのが好きだったので、懐かしく思いました。
映画はね、どうしても辛辣になってしまうのよね。でも香川照之さんはすごい俳優さんだと思うわ。

匿名 さんのコメント...

黒沢清さんは、明さんのご子息です。
オペラの演出もたまになさるので、拝見したこともありますよ。
ちょっとアングラな作風に感じました。
闇を照らして見るような。

ピアノは、触ったことのないひとが、4か月で月の光は弾けません(笑)
途中までは、テクニックとしては簡単ですけどね。

カット割りとかの事情かもー

見えちゃったらいけませんね(笑)

匿名 さんのコメント...

としちゃんさんへ
行ってきましたか?・・。ここでだけの話ですが、私も苦手ですね。まぁ日本の子供や写真を撮らせていただいた風のはいいのですが、特に妖精とか、ニンフ、それから暗い思いが入りすぎるのも駄目なんですね。笑ちゃうんですが、デカい身体の割りに弱虫なのかも・・。「シルクロードの老人」も若干、不得手ですね。でも作りは見事なんですが。たまたまネット上に載せたいという意向もあって、調布市内の方のみ、こちらの独断で協力させていただきました。
映画「東京ソナタ」まだ、やってるかなぁ、私も見逃したくちです。探してみようーと。
前に「10年後の私に手紙」をというのを一度コメントを入れたのですが、なんかの拍子に飛んでしまって、残念な想いをしたことがあるのですが、私は10年後の私をどうしても想像できないんですね。どう考えても、書けない派ですね。理由、沢山あります。想像するだけで恐ろしくなりますね。これも弱虫だからなんでしょうか?長くなりました。ワレモコウでした。

おおしまとしこ さんのコメント...

えー、史子さんは黒沢監督にあったことがあるんですか。息子といえば黒沢久雄(林寛子と結婚した)だと思っていたわ。
それにしても専門家から見れば、4ヶ月でピアノがあんなに上手に弾けるようになるというのは、お話の世界なのね。納得。

おおしまとしこ さんのコメント...

ワレモコウさんもあの手のお人形は苦手だったのね。でも、実物を見ると、まったく違うわよね。
4人の作品があまり違いがないのは、先生の方針なのかしら?
「10年後の私」というのは、私も想像できません。よぼよぼになっていたりして・・・。
ワレモコウさんは、そんなに弱虫には見えないけれどなー。

匿名 さんのコメント...

あっ!!
お孫さんだったかな!?
どっちだろう???

現代の作曲家のオペラを演出してらしたんですけれど、古い映画館を舞台に使って、かなりいい雰囲気でした。

狭い場所だったので、隣の通路を通ったりされていましたけど、おっしゃれー!!な男性でしたー(´∀`*)ウフフ

おおしまとしこ さんのコメント...

史子さん、新聞か何かで読んだんだけど、この黒沢監督って、それまではホラー映画などを撮っていたらしいわね。
オペラもするなんて、才能がある人なんですね。
そうか、狭いところで、すれ違ったんだ。
そういう体験って、なかなかできないものよ。

匿名 さんのコメント...

実家のお隣さんがお人形作りに熱心で作品展をよく見に行きました。
与 勇樹先生も有名な方ですよね。彼女は確か森先生と言う方に習ってました。

映画も良さそうね。
中々行く時間がないんだけど。。。
香川さんはうまいよね!ご両親の血を引いておられるのでしょうね、頭も良さそうだし。
来年放映の剣岳の映画にも出てるようですよ。

おおしまとしこ さんのコメント...

さとさん、お人形を作っている人というのは、何か情熱が違うわね。魂が乗り移ってきている感じがします。
香川さんはすごい俳優さんだと思いますよ。リアルな役もすごいし、おとぼけもできるし。こういう俳優さんはなかなかいないかもね。