2010年1月3日日曜日

こいつぁ春から・・・・ ~弁天小僧~

「こいつは春から縁起がいいわいな~」じゃないけれど、ゆっくりお正月気分を堪能しようと、昨日はまた新宿まで雷蔵祭の映画を見てきました。

今回は「弁天小僧」。そう、あの女装の悪党、弁天小僧菊之助です。
弁天小僧は白浪五人男の一人なんですけれど、ユスリ・タカリ・サギなんぞが専門のようですね。

雷蔵さんの映画は、これまで見てきた優雅な光源氏、陸軍中野学校の軍人、「破戒」で差別に立ち向かう悩み多き青年などとは大違いで、今回の弁天小僧は粋でべらんめえで、女好きで喧嘩に強い悪党の役です。

どうしてこんなに違う役が演じられるのかしらと思うほどの七変化。お小姓役も似合っていたわ。

弁天小僧が女装のきれいな着物を片肌脱ぎながら、片膝立てて「知らざぁ言って聞かせやしょう~」という啖呵を切るところなんぞ、ほれぼれしちゃいました。

この映画は歌舞伎の様式美があちこちに再現されていて見事です。

「弁天小僧」は1958年に作られた映画だそうですけれど、色鮮やかなきれいなカラー映画で、青山京子とのキスシーンもばっちり。若き日の勝新太郎がものすごくハンサムで信じられないほどでしたよ。

大衆映画といってしまえばそれまでですけれど、こんなに楽しませてくれるならいいじゃないの、という感じ。「わび・さび」の文化を気取るものよりも、たとえ俗悪と言われようとも、きれいなものはきれい。私はそういう派手なものがいいな。自分自身は地味なんですけどね。

雷蔵さんの映画は、「清水の次郎長」とか「鞍馬天狗」とかも見てみたいと思います。子供の時、テレビ番組で見た記憶があるのだけれど、しっかり覚えていないので、機会があったら是非見たいわ。


昨夜は教育TVで歌舞伎からの「さよなら公演」の生中継をしていたので、それも見ていました。
染五郎さんの切られ与三郎がかっこよかったわ。

歌舞伎はパターン化されて大げさで派手な演技ですけれど、美しいものは美しい、と感じましたね~。

春からいい気分でした~。

4 件のコメント:

マサ さんのコメント...

この間、BSで雷蔵サマの映画をやっていたわ。山崎豊子原作の「ぼんち」だったかしら(違うかも)
調子がいいだけの男の役だったから、雷蔵もちっともカッコよく見えなかった。逆にそこが、彼のよさね。
「大スター・三船敏郎や石原裕次郎は、どんな役をやってもミフネであり裕次郎だけど、雷蔵はどんな役にも染まる。」
こんな評論を昨日何かで読んだばかり。本物の役者だわ。

としちゃん さんのコメント...

さすが映画評論家のマサさんだわね~。
そうそう、三船敏郎もそうだけれど、女優でいえば吉永小百合とかもそうなんですよね。
あまりに俳優さんの個性が出てしまうより、どんな役でもできるというのはすごいわよね。
「あいつ、嫌な男だよね」「嫌な女よね」と
言われたらそれは役者冥利につきるのかもね。
現代で言うと誰みたいなのかしらね?

さと さんのコメント...

としちゃん無事に秋田より帰りました。
今年も京都で楽しみましょう~

年末年始も忙しそうね。
雷蔵さんはいろんな役をこなせる逸材だったのね、私はあまり映画を見たことがないのでゆっくりそんな時間を持ってみたいな。

おおしまとしこ さんのコメント...

さとさん、お帰りなさ~い。
年末年始は母のところに行ったり、初もうでに行ったり、初踊り(ジャズダンス)をしたりしていました。
映画を見るのは、けっこう時間を無理してひねり出しています。どうしても見たいとなればなんとかなるものですよ。さとさんのスキーと同じかもね。