2010年1月28日木曜日

クリムト

スポーツクラブに通うときは、いつもこの写真のでかいカバンに着替えなどをがばっと入れて、自転車の前かごに突っ込んで出かけているの。


だから形も崩れていて、あまり人さまに見せるようなものではありません。

おまけにこれ、去年の(!)お正月の福袋を買った時の袋で、ちょっときれいな絵柄だし、大きさがちょうどいいので使っていただけなの。

ところがですよ、先日、このかばんを提げて、パ○コの中にあるB・ショップに行った時のこと。
私はボディ・クリームが欲しくて行ったのだけど、どれにしようかな、と迷っていた時、店員さんが
「お客様、それ、クリムトですよね」と話しかけて来たのよ。

そういえば、クリムトという画家の名前は聞いたことがあるけれど、どんな絵を描く人かまるで知らなかったの。私は適当に、「あら、そうなの。」とかごまかしていたのだけれど、でもその店員さんはよほどこの絵が好きなのか、親しみをもっていろいろと話しかけてきたの。

私が探していたクリームもいろんな種類を見せてくれて、匂いをかがせてくれたり、どれがどう違うとか、説明をしてくれたのよ。

B・ショップはどこにでもあるお店だし、どこで買っても同じ値段なんだけど、ここの店員さんがとても感じが良かったので、私はつい、大きいサイズのクリームとおまけの小さいサイズの携帯用クリームまで買ってしまいました。


家に帰って、「クリムト」を検索したら、クリムトという人はウィーンの画家で、「愛とエロス」がテーマなんだそうよ。

そしてこの絵は、まさに彼の「接吻」という絵から取ったものだったのでした。


こちらは今まで愛用していたココナッツの香りのクリーム。


こちらはお花の香り。店員さんにすすめられて、初めて買ってみました。

その店員さんがクリムトのことを話さなかったら、私も2個もクリームを買わなかったと思うのよ。それだけ彼女の接客態度に満足したわけ。

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逆のこともありました。

前にも書いたように、韓国の化粧品会社の口紅が気に入って、そのお店が新宿三越にも入っているというので、先日、ついでがあったときにそのお店に寄ってみたの。
そして私の好きな色の口紅を差しだして、「これと同じようなのが欲しいのだけど、選んでいただけますか。」と聞いたのよ。

そうしたらその店員、「これは韓国仕様なので、日本では売っていないんです。」というの。
そんなこと、私は知っていますよ。でもこのメーカーが気に入っているのだから、同じような色のが欲しかったのよ。
店員は、「日本人と韓国人では口紅の好みの色が違うんですよ。だから日本ではこういう色はないんです。」と言い張るのよ。

おまけに「お客様が韓国に行って、そちらで買ってきたらどうですか。」と言うの。
そんなこと言われたって、そうそう韓国に何回も行くわけにもいかないし、だからわざわざ新宿まで来ているんじゃないの!

たとえば、「あいにくとこれと同じ色はありませんけれど、お客様にはこちらの色ならお似合いだと思いますよ。」とか言って他の色を差し出してくれれば、私なんて単純だから、「あらそう? それではそっちを買うわ。」ということになると思うのよ。
そういうことも言わないで、「ありません」の一点張り。

私はがっくりしてその場を去ったけれど、これでお客を一人取り逃がしたわよね。

接客業は難しいわよね。それにお客様あっての商売。
つまりちゃんとお客の気持ちになって相手をしてくれるお店なら、多少高くてもそこで買いたいわ。安いだけが勝負ではないはず。


クリムトのカバンを使うたびに、この二人の店員さんのことを思い出すのです。

10 件のコメント:

史aya子 さんのコメント...

接吻には、色々と裏話があったはずです。
裏付けになるようなものが出て来なかったので、書き込みは控えますが、調べてみると面白いかも知れませんよ。
彼の絵は、春画を芸術に昇華させたようなものもあって、興味深い画家です。
て、大して知りませんけれどねw

デパートの販売員も、化粧品会社からの派遣なんですよね。
そんな会社の製品、使わない方がいいですよー
安心して買えるお店が一番です!

諏訪ッチ さんのコメント...

クリムトの絵は好きなのです。

この接吻は代表作ですよね。
これがバッグになっているのには驚きましたよ。

おおしまとしこ さんのコメント...

史子さん、そういえば「クリムト」という映画が上映されたことがあるそうです。彼の一生を描いたものらしいけれど、中傷も多い人生だったとか。この絵の女性も実在するのかもしれないわね。

おおしまとしこ さんのコメント...

えー、諏訪ッチさんがクリムトの絵をお好きというのは意外でしたね。そう、バッグにするなんて、ずいぶん大胆ですよね。それも福袋のケースですよ。クリムトもあの世で嘆いているかな?

マサ さんのコメント...

デパートの化粧品売り場は、私は避けているの。ノルマがあるのか、販売員がやたら熱心じゃありません?今は、そうでもないのかな~。少なくとも、この店員は売る気がなさそうね。

情熱的なバッグだこと。スポーツクラブ用ではもったいないわ。私は、捨てても惜しくないバッグを使っています(汗)

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、そうね、このデパートの店員さんは売る気はなかったわね。せっかくわざわざ出かけたのにね。
このバッグ、捨てるには惜しいのよ。不燃紙のような感じなの。派手すぎるけれど、着替えなどを入れるにはちょうどいい大きさなのよ。

さと さんのコメント...

クリムトのこの絵は有名ね。
我が家には二階のトイレの壁に小さな額で飾ってます。好きな人にトイレでは申し訳ありませんが。。。(苦笑)

このバッグも素敵です!!
ところでその店員さん素晴らしいですね。
そういう接待が大事なのよね、さりげなくそして一つだけ褒める(笑)
うーん勉強になります~

おおしまとしこ さんのコメント...

おお、さとさんちのおトイレには「接吻」の絵が飾ってあるんですか。高尚だわ。
そう、その店員さん、絵がとても好きらしくて、絵の話をするときには楽しそうにしていましたよ。売っている人が楽しそうにしていると、買い物客も楽しくなるわね。素敵な人でした。

トントン さんのコメント...

仕事をしている頃、クリムトにはまったのだけど、インターネットなんてない時代、なかなか情報がなくて。
ちょっと前に、日曜美術館で特集していました。この方も、狩野派などの影響を受けていたそうで、画面の切り方などそっくりだといっていましたよ。面白かったです。

おおしまとしこ さんのコメント...

ふむふむ、さすがトントン、よくご存知で。
狩野派の影響ね、金色を使っているところなどそうなのかしら。
みなさんに気に入っていただくと、このかばん、ぼろくなっても捨てるわけにいかないわね。