2012年1月15日日曜日

「通りゃんせ」

宇江佐真理さんの小説はもうずいぶんと読んできました。
特に年末年始には2日に1冊くらいのペースで読んだかしら。

宇江佐さんの小説はすいすいと読めて、そして読んだ後味がとてもよいのです。
つまり「こういうふうになってほしいな」というような結末が用意されているのです。
離れ離れになってしまった恋人たちはちゃんと結ばれるし、お店の跡取りはちゃんとお店を継ぐし。
おまけに歴史の背景も分かるし、当たりはずれもほとんどないので、こんなに素敵な小説家はめったにいませんよ。

どんな小説を読んだか、覚えている限り、書き出してみましょう。


「髪結い伊三次捕り物余話シリーズ」数冊

「室の梅」

「雷桜」

「おちゃっぴ」

「深川恋物語」

「涙堂琴女癸酉日記」

「おぅねぇすてぃ」

「余寒の雪」

「ひょうたん」

「卵のふわふわ」

「玄冶店の女」

「あやめ横丁の人々」

「アラミスと呼ばれた女」

「無事これ名馬」

「たば風」

「夕映え」

「十日えびす」

「恋いちもんめ」

「聞き屋与平」

「おはぐろとんぼ」

「彼岸花」

「深川にゃんにゃん横丁」・・・。


さて最近読んだ「通りゃんせ」ですが、これは宇江佐さんの小説にしてはちょっと異色でした。

というのも出だしが現代の話なのですよ。
「オートバイは甲州街道を横にそれた道に入った」というニュアンスの文があるのです。

主人公も「連」という若い営業マンの男性なの。

その彼がひょっとした拍子で滝の裏側にあった穴に落ちてしまい、気づいたらそこは江戸時代だったという話です。

そう、去年、TBSテレビで人気のあったドラマ「仁」と似ていますが、こちらの小説のほうが先だと思いますよ。
それに「仁」は坂本竜馬が出てきたりと幕末が舞台でしたが、こちらの小説はそれより少し前の天保時代の農村が舞台なのです。

その田舎に突然現れた現代人、連(連吉と名前を変えますが)がいろいろ見聞きするお話ですが、当時の農村の飢饉というのはひどいもので、それにもまして年貢の取り立てが厳しく、今の比ではなかったという話が続くのです。

そして最後にはこの村にいた「さな」という女性が、現代社会に戻った連の前に「早苗」という人物になって再現したのですが、そういう結末はとてもすがすがしくて気持ちよいものでした。

今はまた「神田堀八つ下がり」という小説を借りて読み始めましたが、こちらはおなじみの町人や岡っ引きなどが登場していて、楽しく読める小説のようです。

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