2012年8月18日土曜日

「花筏」/「細雪」

今、夢中になっている作家・鳥越碧さんの「花筏」を読みました。
正式なタイトルは「花筏 谷崎潤一郎・松子 たゆたう記」と言います。
厚さ4センチほどもある単行本でした。
内容は谷崎潤一郎の奥さんである松子さんと彼女の姉妹たちのお話です。


あのような大作家を夫に持ち、そして夫に愛されながらも女好きの夫の奥さんであるのはいかに大変かという話があれこれ綴られていました。
かなり事実に基づいた内容だと思います。

私には大作家といわれるような人の奥さんは務まらないだろうと思いました。
何でも芸術のためと、家庭内のあれこれも小説で暴露されてしまうのはかないませんね。
松子さんという人はたいそう美人だったようですが、谷崎は彼女のどこに惚れたのか、そのあたりがよく見えませんでした。

その中には谷崎潤一郎の書いた小説のこともいろいろと書かれていました。
私はこれまでこの人の本を読んだことがなったので、それも興味深かったですね。
そして彼女たち四姉妹がモデルになったという「細雪」を読んでみることにしました。


こちらは文庫本でしたが、厚みが5センチくらいあり、片手では持てないほどの分厚い本でした。
松子さんは幸子さんという奥様になっていました。

「細雪」は以前、映画で見たことがありましたが、「豪華絢爛な衣装」とか「優雅な生活」という面ばかりが強調されているように思いましたが、小説のほうでは暴風雨で大変な目にあったこと、病気治療のこと、末っ子の恋人が病死してしまうこと、そして末っ子が難産の末、子供を失ってしまうことなど、かなり大変な物語がリアルに書かれている内容でした。

「細雪」は戦前、戦中の話ではありますけれど、かなりモダンな生活をしていたことがうかがえます。
食事は洋食、飲み物はワイン、楽器はピアノ、移動は常にタクシー、女中さんも何人もいたなど、当時の上流階級の人は今の私たちの生活水準よりももっとハイカラな生活をしていたことがよく分かりました。

さて、「細雪」はおもしろいかと言われれば、「すごくおもしろい」とは言い難いのですが、登場人物がきれいな関西弁で話し、姉妹けんかをしながらも最後は家族の結束を強めていくところは面白いですね。

それにしても三女の態度があまりにも優柔不断でした。電話に出て話すこともできないようなお嬢様だったので、ちょっとイラつきました。いまどきは電話にも出られないお嬢様はいませんよね。

「細雪」には4姉妹以外にも、谷崎本人である夫、長女のお婿さんである義理の兄、幸子さんの娘、お手伝いさんたち、おせっかいな世話好きな仲人口のひとたちなど、よく描かれていると思いました。




2 件のコメント:

マサ さんのコメント...

細雪は今でも毎年のように舞台化されていますよね。
どんな方が観るのだろうかと思いますが、美人女優たちの競演、なによりその豪華な衣装が興味深いのかもしれませんね。
小説は私は読んだことがありませんが、優柔不断なお嬢さまに限って、最後はしたたかだったりしませんか?(笑)

おおしまとしこ さんのコメント...

マサさん、一度「細雪」を読んでみることをお勧めするわ。映画や舞台とはまるで違った感じがするのよ。どうしてあの小説が、豪華な衣装ということだけ話題になるか、違和感を感じましたね。
それにしてもいまどき、4人姉妹などそうそう見かけませんね。そういう小説も成り立たなくなってきてしまったみたいね。