2013年4月6日土曜日

シルクラブ

「シルクラブ」▼なる素敵なところが西武新宿線の沼袋にある、という話を耳にしました。
「シルク」は絹、それを愛するので「シルクラブ」なのかしら、と単純に考えて、素敵な着物の紹介をするところなのだろうと単純に考えて、ちょうど展示会最終日の午後に間に合ったので出かけてみました。

沼袋は中野区にあるのですが、ごく庶民的な街です。
そこの商店街を2・3分歩いたところに、「シルクラブ」の看板がありました。


看板の矢印に従って右折すると、こんな大きな鳥居がドーンとあるのでびっくり。


そしてその奥に「シルクラブ」の瀟洒な邸宅がありました。

「シルク」を愛するではなくて、ラブは実験室とか研究所とかいう意味のようでした。


展示会「織の津々浦々」のポスター。


「シルクラブ」は中野山田屋という呉服屋さんのギャラリーのようなところですが、玄関をそーっと入ってみることにしました。
まるでお茶室のようです。


私は知らない場所や知らない人と会うのもそれほど苦にならないので、扉を開けて入って行きましたが、本当はこういう場所は一見さんではいけなかったのかしら?

「どなたかのご紹介ですか」と何回も聞かれてしまい、ちょっとまずかったかな・・・と思いましたが、紹介されたMさんのお名前をお伝えしたところ、どうぞお入りくださいと言われ、中に入りました。

しばし目の保養をさせていただきました。

ちょうど岡本紘子さんとおっしゃる型染の先生がいらっしゃり、お話を伺うことができました。

とてもカラフルで楽しくなるようなものばかり。
(実物のきれいな色が出なくてすいません。)


型紙を見せていただいたり、糊を置いて染める手順を詳しく教えていただきました。

右の奥に見えるのが、型紙です。黒いラシャ紙を切り抜いて、裏からメッシュのようなものを張り付けて、そして模様の部分がばらばらにならないようにつなげてある「つり」をはずすのだそうです。

左はそれぞれの色を挿していく型紙の数々。


沖縄紅型とも違いますが、ポップで「大人可愛い」色遣いでした。

私が気に入ったのは、ピンクの帯。
「お嬢さんだけでなくて、いくつになっても使えますよ」という春めいたピンク色でした。
岡本先生によれば、同じピンクでも顔料の違いによって、大人でも着られるピンクになるのだとか。

柄の大きさや、地の小さな水玉模様がちょうどよい感じでしたね。
とにかく柄が可愛らしくて、花はもちろん植物、蝶、紙風船のようなもの、お手玉のようなもの、ポップキャンディーのようなもの、女の子が喜びそうなものが満載です。

ご自身は着物はお召しにならないそうで、それがかえって変な既成観念を持たずに制作されるのではないかしらと思いました。

いつもは湯河原の工房で、型紙作りから染めて洗ってと、全行程をお一人で制作されていらっしゃるそうです。

岡本先生の作品は、一度見たら絶対に他の人とは違いが分かる型染めでした。

他にも全国から集められた作品がたくさんありました。

こちらは書斎に掛けてあった大振り袖。
大胆な色遣いですね。


普段は敷居が高くて入ることもできない呉服屋さんでしたが、Mさんに教えられて素敵な作品に会うことができて、ラッキーでした。
教えていただき、ありがとうございました。

お店の女将さん、ご主人様、みなさまとても素敵な方でした。
売らんかなの押しつけがましいところがまるでなくて、目の保養をさせていただいただけの私のような素人でも安心できる空間でした。

この日は、京の染と、型染のはしごになってしまいましたが、どちらも発色の素晴らしさ、鮮やかさ、デザインの独創性に大いに刺激させられました。

美しいものを見て、美しいと素直に感じられる気持ちになれるのは、とても幸せなんだな、と思いました。




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