2013年5月31日金曜日

また名古屋へ 3 ~上村松園展~

名古屋大学を後にして、地下鉄を乗り継いで、伏見まで。

駅から少し歩くと名古屋市美術館▼です。

ここは白川公園という広い公園の中にあります。


なんとなく雰囲気が上野公園に似ていますね。

こちらの科学館は上野でいうと科学博物館に当たるところでしょうか。
子どもが喜びそうな面白い外観です。


名古屋市美術館は創立25周年を記念して、上村松園展▼をしていました。
この招待券に当たったので、東京からやってきたのです。


入口で、着物で来館した人は写真を撮られるということで、私も写されてしまいましたが、雨で髪の毛はぼさぼさ、着物もよれよれの姿でちょっと恥ずかしかったですね。私のカメラでも写していただきました。


松園さんは美人画で有名な方ですが、女性では初めて文化勲章をもらった人です。
その繊細な絵は本当にうっとりとしますね。

描かれた女性たちの額の生え際の美しいこと。

そして着物や帯や半襟の模様まできちんと描かれているので、楽しくなります。
季節感のあふれる情緒豊かな絵が多くて、素敵でした。
夏の蚊帳の中の女性、雨に打たれた女性など、とても美しいものでした。

松園さんの絵はあちこちで見てきましたが、今回は100点くらいあったでしょうか。
有名な絵もたくさん展示されていて、満足しました。

平日の午後でしたが、女性のお客さんでとても混雑していました。


この橋を渡って、今度は大須商店街まで歩きました。

(この項、続きます。)




2013年5月30日木曜日

居敷当て付けました

ブログ仲間のうたどんさんが、私のためにリサイクルショップで浴衣を探してきてくださいました。

藍色の絞りで、寸法もぴったりなので、喜んで頂戴しました。

ところが居敷当てがほんのおしるし程度(封筒大)くらいしか付いていないのです。
こちらの写真で分かるかしら?


居敷つまり「おいど」(お尻)の大きな私はちょっと不安になりました。
着ていてびりっときたら問題ですものね。

そこでなんとか自力で居敷当てを付けようと思ったのですが、和裁の知識が皆無なので、手元にある着物を参考にしてやってみることにしました。

まずは和小物屋さんでさらしを買ってきました。
さらしに触れるなんて、20数年前、子どものおしめを縫ったとき以来です。


10メートルで1200円でしたが、それって安いのか高いのかも分かりません。

まずはこのさらしを水に付けて、乾かして、アイロンをかけて、サイズに合わせて断ちました。

布地を2枚続けないとお尻のサイズにならないので、そこの部分はミシンがけ。

その後は、浴衣の生地とさらしを適当に縫い合わせて、ようやく完成。

ふー、簡単そうでしたが、結構大変でしたよ。

出来上りはこんな感じ。これで安心して着られそう。


半襟をつけて、博多帯を締めてみました。

さらしを付け足してあるので、脇の線がちょっとつれているような気もしますが、それもご愛嬌です。


まだ他にも居敷当てのない着物があるんですけれど、一度にはできないわ。

居敷当てだけでもこんなに時間がかかるのですから、本格的に着物を縫うなんて、すごい技なんだと思いました。

雨模様の日には、お出かけも面倒なので、こんなことをしています。


また名古屋へ 2 ~名大ランチ~

名古屋に到着してすぐ地下鉄に乗り換えて、名古屋大学に行きました。

ここは2006年に仕事で来たことがあるので、7年ぶりになります。
その頃のことが思い出されました。

名古屋大学は総合大学なので、敷地も広く、キャンパスの間には公道が走り、地下鉄の駅もあります。

この写真の緑のあるところは、かつては100メートル道路として計画されていた場所なんだそうです。


お世話になった先生から「名古屋大学にはおいしいレストランがあるんですよ」と言われていたので、ご馳走になりました。

この建物の1階がレストラン・シェ ジロー▼です。
ES館という建物ですが、エンジニアとサイエンスの頭文字をとったそうで、理工館とでもいうところでしょうか。


なかなか洒落たレストランでした。
それものそのはず、ここはもともと外部にあったお店だったのを、名古屋大学が買い取り(?)、大学レストランとしたそうです。

学外からのお客様を接待するときに、よく使われるのだとか。

 
(こちらの写真はレストランのHPよりお借りしました。)

コースメニューを頼んでいただきました。
最初はサーモンの前菜。
野菜の使い方がオシャレですね。

ハーブ入りのパンがおいしかったわ。


次はエンドウ豆か何かのおいしいスープがでてきました。

メインは牛肉のソテー。
これも付け合わせの野菜がきれいでした。
それにひき肉入りのキッシュがついていて、心憎いですね。


デザートはアイスクリームなのですが、グラスの中に入っていました。
パンジーが添えられています。
小さなパウンドケーキもありました。


とてもおいしいランチでした。

私も仕事を辞めた後ですし、先生も重責は終えているので、仕事の話もなく、なごやかにおしゃべりできました。

ここは外部の方でも利用できるそうです。
ディナーはどのようなメニューなのでしょうね。

*****

ランチの後は「名古屋大学博物館サテライト ノーベル賞展示室」▼に案内していただきました。
名古屋大学というのは4人のノーベル賞受賞者を輩出している大学なのです。


2006年に行ったときには、まだ野依記念館しかありませんでしたが、2008年に
益川敏英先生、小林誠先生が物理学賞を、下村脩先生が化学賞を受賞されて、この展示室もできたようです。

このミュージアムには、どのような研究からスタートして、どのような成果に至ったかが展示されていました。
受賞された先生たちのお若い頃の修士論文や博士論文のオリジナルがありましたが、当時は手書きの原稿で、ファイルの中には几帳面なきれいな字が並んでいました。

物理学賞はあまりに難解すぎて私には説明ができませんが、素粒子理論の研究で、6種類のクオークというのを発見されたのが受賞対象だそうです。

化学賞は発光する生物の研究が対象で、ホタルやイカの光る物質の正体を見つけたのだそうです。
その研究のため、下村先生はクラゲを85万匹も採ったというのですから、驚きですね。

受賞シーンのポスターの前で。


下の写真は受賞の証書です。

左が物理学賞のもので、鳥(カワセミ)の絵が描かれていますが、これはその理論の中に鳥が出てくるので、鳥の絵なのだそうです。
右は化学賞のもので、海を表しているのだそうです。

つまり受賞内容によって、一つづつ違う証書だというので、驚きました。
絵を描く人も大変でしょうね。

 
ノーベル賞のメダルのレプリカもありましたが、ずしりと重かったですよ。

またこれらの研究をされた先駆者たちの紹介もありました。
とても民主的な先生がいらっしゃり、その研究室ではご自分のことを「先生」とは呼ばせないことで有名だったそうです。

名古屋大学には素晴らしい人材がそろっていたのですね。

こういう場所はなかなか入れるものでもないので、よいチャンスでした。

これからもノーベル賞受賞者が生まれるといいですね。

*****

ランチとノーベル賞展示室を見学して、今度は名古屋市立美術館へと向かいました。

(この項、続きます)



2013年5月29日水曜日

呉服の日

5月29日のごろ合わせで、今日は「ゴフク」つまり「呉服の日」ということになっているらしいですね。

ということで、サマーウール(?)の着物を着てみました。薄手なのでかなり涼しく着られます。
下北沢でたぶん1000円か1500円で買ったものです。
極小サイズなので売れ残りだったのかもしれませんが、ちょっと上品そう(?)に見えると思うので、割と気に入っている着物です。

さて、昨日、名古屋の大須の「BERRY工房」さんで買ってきた帯揚げをさっそく使ってみました。

★BERRY工房さんのことは、「また名古屋へ」の旅行記▼でも後ほどご案内の予定です。しばらくお待ちを。

こちらは黄色っぽい帯揚げをしてみたところ。


ちょっと厚みがあるので、暑い日に使うと暑苦しいかもしれませんが、ポコポコしているところがアクセントになりました。

こちらの帯揚げと色違いなのです。


お次は水色のきれいなレース模様の帯揚げです。
普通に折りたたんで使うとこんな感じ。


若い子のまねをして、帯の上にレースの丸みを出してみましたが、さすがにブリっ子っぽくて恥ずかしいですね。でもきれいな模様でしょ。


おばさんになっても若い人向けの小物を使ってみるのは、変化が生まれて楽しくなります。

こんな呉服の日でした。



2013年5月28日火曜日

また名古屋へ 1 ~今回は日帰り~

また名古屋へ行ってきました。
今回は日帰りです。

名古屋って東京からだと2時間もしないで行けるし、市内は地下鉄が発達しているから地理も分かりやすくっていいんですよ。

今回のメインは、抽選で当たった名古屋市立美術館の「上村松園展」観賞でした。


それと仕事でご一緒していた名古屋大学の先生にお会いして、大須のBERRY工房さん訪問という目的がありました。

私はどちらかというと雨女なので、雨にたたられるのではないかと心配していましたが、それほど濡れずに助かりました。

詳しいご紹介はまた後ほど。


2013年5月27日月曜日

暑い日 寒い日 雨の日

沖縄や奄美諸島ではもう梅雨の季節ですね。
今年の梅雨入りはどうも早そうな予感がします。

今は単衣着物を着るのにちょうどよいシーズンですが、そろそろ夏着物や夏用の襦袢の準備が必要でしょうか。

ところがそういう用意をしていると、また急に気温が20度くらいに戻ったりして、それなら急ぐことはなかったのに、と思うこともよくあります。

これからの季節に向けて、どんな夏着物があり、どんな夏用の帯があるか、頭に入れておかないと、また衝動買いでちぐはぐなものを買ってしまいそうです。


着物は一応エクセルで記録しています。

色(セルに色を塗ってあります)、柄、特徴(派手着物とかへび着物とかすぐに気がつくように)、購入場所、購入価格(あるいはいただきもの)を書いて、後は丈、裄、袖丈、前幅、後幅などの寸法をセンチで入力してあります。
(寸は良く分からないので・・・)

ところがサイズが合わなくても着やすい着物もあるし、サイズがあっていてもどうも着にくかったり、必要以上に太って見える着物もあるのです。

この寸法を、着付けの前に見るようにしています。

丈が長めのものや短めのものを着るときは、着る前に「これは長めだから腰紐を少し上にしよう」とか参考にしています。

きちんとマイサイズのものばかりだったらいいのですけど、なかなかそういう具合にはいきません。

でも同じ寸法でも紬とか柔らかものによって着た感じが違うので、それは備考欄に「大きめだけど着やすい」とか「前幅が狭いので注意」とか気付いた時に追加記入をしています。


この表はパソコンのデスクトップに貼っておき、着たいと思った着物を着る前に、一応参考にしておきます。
布の写真も入れておけばいいのでしょうけれど、そこまで時間がなくて・・・。

本来なら、着物はすべてお誂えにして、季節が順調に変化して戻ることがなければ、着物選びや着付けにも頭を煩わすことがなくて、一番いいのですけどね。




2013年5月26日日曜日

「幸之助と伝統工芸」

「幸之助と伝統工芸」▼という展覧会が汐留のパナソニックミュージアムでありました。


今回も招待券で入場してきました。

「幸之助」はもちろん松下幸之助のことですが、「経営の神様」と呼ばれ、電気屋さんであった幸之助さんと工芸というのがどうも結びつきませんでした。
でも展覧会を見て、ああそういうことだったのかと目からうろこが落ちたような気持ちになりました。

それは幸之助さんがインタビューに答える場面があったのですが、
「電気製品というのは大量生産しているが、その一つ一つが工芸品のようでなくてはならんわな」という大阪弁で答えているのです。
(この音声もイヤホンで聞けるようになっています。)

そいういう気持ちがあったからでしょう、幸之助さんは茶道に親しみ、京都に「真々茶室」という茶室まで建ててしまったほどなのでした。

茶の道具やお皿や壷などの工芸品はもちろんのこと、染色や織物にも特別な目をもっていたようで、森口邦彦、志村ふくみ、北村武資 (すべて人間国宝)のような有名な作家の着物も収集していました。着物は奥さまのために誂えたのかしらなんて思ってしまいました。

何事にもその道に秀でた方は、伝統工芸の分野でも道を極めていたのですね。
そして「日本工芸会」というところの理事長まで務められたのでした。

幸之助さんと伝統文化の関わり合いがよくわかりました。

この展覧会に入場すると、喫茶コーナーでは400円の飲み物が半額の200円で飲めるというサービスがありましたが、のどが渇いているときには嬉しいサービスですね。


でも展示場にルオーの絵のコーナーがあったのですが、これはちょっと雰囲気に合わないと思いました。
これも幸之助さんのコレクションなのでしょうけれど、そこの部分だけ浮いていましたね。

ちなみにこの展示会は汐留ミュージアム開館10周年記念として8月5日まで開かれています。

それにしても今はもう「松下電器」とか「ナショナル」とうブランドはないのですね。
ちょっとさびしい気持ちになります。
私にとってナショナルといえば、テレビの「ズバリ当てましょう」のイメージが強いのです。あの頃が松下電器の絶世期だったのでしょうか。

汐留ミュージアムのお隣には、昔の新橋駅の建物が残っていました。
1872年開業当時の駅舎を再現したものだそうです。
「旧新橋停車場」▼として鉄道の歴史展示室が公開されています。

時代は移ろいゆくものなのですね。


2013年5月25日土曜日

東京蚤の市@競輪場

うちの近くには競輪場があり、毎月6日間ほど競輪が開催されています。

ここは普段はひっそりとしているのですが、開催中だけは、おっちゃんたちがたくさん集まってきます。

ところが今日はこの競輪場に家族連れや若い人がたくさん集まってきて、すごい混雑していました。

実は「東京蚤の市」というのが開催されていたのでした。


骨董市が大好きな私は、入場料300円を払って中に入ってみました。


いろんなお店が出ていました。

本屋さん、雑貨屋さん、洋品屋さん、食べ物屋さん・・・。
子どものためのワークショップもたくさんありました。


役に立ちそうなものを売っているお店もあれば、何のために使うのか分からないものを売っているお店もありました。

こちらの食器はチョイレトロな感じで、まだまだ使えそう。


古い着物や帯を売っているお店があれば、寄ってみようとおもっていたのですが、あいにくとそういうお店は全然ありませんでした。

疲れ果ててテントの中でぐったりとしている人たち。


こちらは競輪をするところです。
すごいカーブになっていて、こんなところを走るのは怖そうだわ。


ということで何も買わずに退出しました。
300円は無駄に終わりました。
収穫物がないと、やはりあまり楽しくありませんね。

うちの近くでこんなに人を見るのは、花火大会の時だけだと思っていたので、本当に驚きました。



ゆかたの思い出

本当のことを言うと、実は浴衣はあまり好きではないのです。

というのも、子どものころに着せられた浴衣が、糊でばりばりになっていて、それが嫌だったのですね。
母は洗濯物に糊をつけるのが大好きでした。
糊といっても今の「キーピング」のような化学糊ではなく、ご飯の残りを溶かしたものだったので、妙な臭いもしていました。
それで浴衣というとあの臭いを思い出してしまい、あまり好きになれませんでした。

ごく幼い頃はどんな浴衣を着ていたか、覚えはないのですが、中学生の頃、自分で初めて反物を選び、母が縫ってくれた着物は大好きでした。
それは白地に藍色の朝顔の模様がついていて、格子柄(朝顔のつるを巻きつけるための支え)も描かれていました。今でもくっきりと覚えています。
この浴衣はその頃の私にとっては、かなり大人びたものでしたが、すっきりとした大柄のデザインでとても気に入っていました。
着物にはうるさかった祖母は、反物を見た時は、「そんなのは子供らしくないよ」と言っていましたが、私が着てみると意外と似合っていたので、喜んでくれたのを覚えています。


高校の家庭科の授業では、紙で2分の一サイズのミニ浴衣を作った記憶があります。なんのためにそんな妙なものを作ったのか分かりませんが、まるで役に立たない授業でした。

大人になってからは、浴衣を着た記憶はありません。
旅行に行くときも、旅館備え付けの浴衣を着るのが嫌で、いつもパジャマを持参していたくらいです。

ところが、最近、三味線をするようになって、おさらい会に出ることになりました。
この会は「浴衣会」といって、出演者は浴衣に名古屋帯、白足袋が決まりになっているのですが、それまで浴衣嫌いだったので、着るものがありません。

2010年の最初の時は、近所の骨董市で買った500円の絞りの浴衣で間に合わせました。


2回目の時は、名古屋のコメ兵で買った浴衣。多分1200円くらいだっただろうと思います。なでしこの柄でした。


去年、つまり3回目の時は、やはり地元の神社の骨董市で買ったカブの模様の浴衣。


ところが、浴衣はただでさえ暑いので、演奏するときは浴衣を着ていると、本当に汗だくだくになり、あせももできて大変でした。

そこで、今年は涼しくて、少しおしゃれな浴衣にしようと決めました。
そして先日、仕立て上がってきました。
やはり藍色と白だけの浴衣です。

綿1000パーセントですが、ごわごわしていません。
とてもしなやかな感じです。

半襟をつけて、夏着物風に着てみました。


昨日はこの姿でたんす屋さんの着物販売会(交通会館)に出かけましたが、浴衣とは気付かれませんでした。
評判もよくて、嬉しくなりました。


さて浴衣は出来上がりましたが、演奏のほうはまだまだ。
お調子が何回も変化をして、音合わせが難しい曲なのです。

素敵な浴衣にふさわしい演奏ができるといいのですが。




2013年5月24日金曜日

楽しいお買いもの@八王子

先日、誂えた浴衣▼が出来上がったというので、八王子の坂本呉服店まで受け取りに行ってきました。

たとう紙を開けると、藍色の菊の花いっぱいの浴衣が出来上がっていました。
素敵でしょ。


浴衣として着る前に、夏用着物として、半襟をつけて着たいと思っています。

お店には21.5センチという小さいサイズの足袋も売っていたので、買ってきました。店員さんにはとても丁寧な対応をしていただきました。

呉服屋さんのお向かいのギャラリーでは、「花・華・花」という展示会をしていたので、ちょっと覗いてみました。


制作者は高松に住んでいらっしゃる方でしたが、お嬢様が八王子に嫁いだとかで、ここ3年ほど、このギャラリーで展示会をしていらっしゃるのだそうです。

洋裁、和裁がMIXされて展示されていました。
昔の和服の生地をほどいてワンピースにしたり、ミニ着物に仕立てて海外に住む人のお土産用に作り直したり、可愛いお孫さん向けのエプロンがあったり・・・・

下の写真は、ガラス越しなのでお向かいのビルが写ってしまいちょっと見づらいのですが、とても小さな着物です。


オシャレで、とても楽しい雰囲気の展示会でした。
ここまでセンス良く手づくりができるといいですね。


八王子は歴史のある町なので、よくあるチェーン店の以外にも、昔ながらのお店がたくさん残っています。
町歩きが楽しいところです。

今回お邪魔したのは、洋装用の靴やハンドバッグやお洋服と、和装用の草履、バッグなどを取り交ぜて扱っているお店「にのみや」でした。

お店のご主人に「なんでも売っているのですね」というと、「そうそう、女性の喜ぶものなら何でも置いてありますよ」とのこと。

私は夏用の草履が欲しかったので、小さいサイズがあるかしらと尋ねると、なんと以前、八王子の駅にあった「そごう」で販売する予定だった草履の台があるというのです。

麻でできていて、すごくおしゃれ。
これに小千谷の布を使った鼻緒、赤いつぼを合せてくれました。
出来上がりはこちら。

夏にぴったりでしょ。格安値段にしていただきました。嬉しいわ。


草履をすげてもらっている間に、お店の人やお客さんとのおしゃべりしました。

あるおばあさんがバス旅行に行くので、そのための靴とバッグと服を買っているところでした。すごくシャキシャキした方でしたが、なんとお年をお尋ねしたら、もうすぐ90歳になるとのこと。

このお店とは40年以上の付き合いがあるそうで、他のお店では買い物をしたことがないとか。

お店との信頼関係がよく伝わってきました。
お代金は「半端な分はつけ」にしているそうですが、「いつ死ぬかわからないから、そのときは香典にしておくよ」と、まるで漫才のような会話をしていました。

昔は踊りをされていたそうで、そのせいでしょうか、背中もピンとしていて、とてもお若い雰囲気の方でした。

親しい会話ができるお店が身近にあれば、お買い物も楽しくなりますね。

そうそう、草履のおまけに、お花のプレゼントもありました。


こういうお店がいつまでも続いてくれると嬉しいですよね。

ちなみに私の住んでいる町では、もう2軒も呉服屋さん(和小物を扱っていたお店)が閉店になってしまっています。残念ですね。

本当に楽しい八王子のショッピングでした。

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この日の装い。

名古屋の「コメ兵」で買った麻の葉模様の単衣着物。ミントグリーンが好みです。


着物は丈が長すぎたので、おなかのあたりの見えないところで5センチくらい「上げ」をしてあります。邪道かもしれませんけれど、でも着やすいほうがいいですものね。

帯は必要以上に長くて、おまけにふにゃふにゃしていて、扱いにくい帯です。
堅すぎる帯も困るけれど、柔らかい帯も困りますね。

なかなか、良い帯に当たらず、いつも同じものを手にしてしまっています。





2013年5月23日木曜日

「華麗なるインド」@三鷹市

「華麗なるインド~インドの細密画と染織の美~」▼という展覧会の招待券が当たったので、出かけてきました。


今回の会場は近場、お隣の市にある三鷹市美術ギャラリーです。ここはJR三鷹駅から直結したビルの中にありました。


この展覧会は日本画家でインド美術研究家である畠中光享さんという方が40年にわたって集めたコレクションのご披露だそうです。

ちなみに畠中さんの描く絵画は、日本とインドをMIXしたような美しい女性像などが多くあるようです。

最初の展示ははインドの絵画でした。
ミニアチュール絵画というそうで、細密画という意味だそうです。
宗教色の強いもので、仏教やヒンズー教の絵がありました。
歴史の時間にムガール帝国というのを習いましたが、その当時(16世紀から18世紀ごろ)、日本でいうと江戸時代の頃に当たるものでしょうか。

次のコーナーからはインドの布の展示でした。

インドの布というとサリーはおなじみですが、私が引きつけられたのは、ターバンの数々。
幅が20センチから30センチくらいで長さがなんと11メートルもあるというのです。
その細長い布が天井からずらりと掛けてありましたが、ものすごくきれい。おまけに綿とは思えないほどしなやかでした。
この布をどうやって頭に巻くのでしょうね。

また木の型に彫られた型をプリントした布や、ジャガード織のような布など、どれもとても細かい柄で作られていました。
それに、日本と同じような絞りの技法を使った布もありました。

色彩も鮮やかなものから、モノトーンのものまであり、インドの布に対してのイメージが変わってきました。


インドのことは日本人にはあまり知られていませんが、こんなに素晴らしい美術品があるということが、もっと広まるといいなと思いました。

展覧会の後は、インドにちなんでせっかくならカレーにしようかと思いましたが、良いお店がなかったので、仕方なくスパゲティになりました。


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この日の装い。

かなり暑くなったので、単衣の大島紬(だと思うのですが)です。

うたどんさんのお母様からのいただきもの。
とてもシャキシャキとしていて、暑さをそれほど感じません。
自分だったら絶対に選ばないような焦げ茶色の着物です。


帯は靖国神社の境内の骨董市で売っていた洒落帯。
とても長くて、二重太鼓に締めるのが大変な帯です。

おまけに柄あわせが難しくて、前がちょうど良いとお太鼓に柄が出なくなるし、お太鼓に合わせると前がつまらなくなってしまうという、ややこしい帯です。

でもこれもシャキシャキしている生地なので、今の季節にはちょうど良いかしら。