2014年8月15日金曜日

お直しおばさん

「お直しおばさん」と言っても、着物の着付けを直してくれる親切な(おせっかいな)、おばさんのことではありません。

このところ、一日一回は針を持って、何かしらお直しをしている私のことです。

といっても不器用な私にできることは限りがあるので、大したことはありませんが。

長すぎる帯揚げを短くしたり、衣紋抜き用の布を付けたり、そっけない筒袖に可愛いレースをあしらったり・・・。

そんな自分を眺めていると、昔の母の姿にそっくりになってきたと、苦笑いしてしまいます。


母は私よりもずっと技術があり、洋裁でも和裁でもなんでもできる人でした。

私たちが子供のころは、子供服を手づくりしてましたが、だんだん大きくなり、既製品を買うようになると、こんどは洋裁から和裁になり、親戚の人たちの着物のお直しをよくしていました。

母の部屋には、反物を裁断する台やへら、くけるための道具、こてや小さなアイロン、色とりどりの絹糸などが、いろいろと置いてありました。

着物のどの部分をどのように直していたのか、私には分かりませんが、伯母たちは
「あなたのお母さんの直した着物はとても着やすいのよ」と喜んでいたようです。

それでも濃い色の地味なおばあさん向きの着物のお直しばかりではつまらないのか、どこからか頼まれて、新品の着物の仕立てもしていたようです。
「明るい色の布は縫いやすい」と言っていました。

それでもだんだん老眼になり、糸が針に通りにくくなってきたので、私はよく糸通しを頼まれたりするようになりました。


もし今、母が昔のように何でも出来たなら、私がリサイクルショップや骨董市で買った着物の裄や身幅を直してもらえたのに、と残念に思うことがよくあります。

「そんなお直しくらい自分ですればいいじゃないの」と言われそうですが、私には着物をきれいにほどいたり、丁寧に縫ったりすることができないのです。

母の才能の半分もあったら、と思わずにはいられません。


お直しだけを教えてくれる和裁教室ってないのかしら。

(写真は無料写真サイトからお借りしました。)




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