2015年4月25日土曜日

「美術館建築を楽しむ」2 ~都会人のオアシス~

今度の市民カレッジ「美術館建築を楽しむ」の第2回目に行ってきました。

簡単なメモを残しておきます。

といっても、今回も途中で眠ってしまったし、筆記用具を入れたつもりが見つからず、仕方なく化粧ポーチに入っていたまゆ墨でメモを取った(!)という状況だったので、あまりあてにされませんように。

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今回は東京にある美術館の説明とその建築にまつわるお話でした。

◆三菱一号館美術館▼
東京駅丸の内近くにある赤レンガの美術館。
1894年に建てられて、1968年に解体された建物を、2010年に復元したものです。
今は免震構造に作り直してあります。
もとの設計はジョサイア・コンドルというイギリス人でした。
彼は明治時代、20代の頃に来日して、東京大学で日本人の建築家を育て、明治以後の日本建築界の基礎を築いた人です。
クイーン・アン様式という18世紀イギリス風の建物で、当時は賃借オフィス・ビルで、縦割り(ワンフロアごとではなく、縦に一つの会社が利用する)だったそうです。


◆ブリヂストン美術館▼
東京駅八重洲口にあります。
ブリジストンの創業者・石橋正二郎が所蔵していた美術品が展示されています。
主な作品は、20世紀の西洋絵画と、明治以降の洋画。
石橋の小学生の図画の先生だった坂本繁二郎から、郷土・久留米の先輩である青木繁の作品をなんとかして収集してほしいという依頼があり、それから石橋の収集が始まったそうです。
そして青木繁の作品をたくさん保存するようになり、美術館へとつながったそうです。
他にもマチスの絵などがたくさん収蔵されています。
2015年5月18日より新築工事のため、数年間休館になりますので、行くのなら今のうち。
ここのカフェ「ジョルジェット」はおススメとのこと。この店の名前は、ルノワールの「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」が由来です。

◆大倉集古館▼
ホテルオークラに隣接している美術館。
日本で最初の私立美術館で1928年築。
明治から大正にかけて活躍した実業家の大倉喜八郎・喜七郎親子二代によるコレクションが収蔵されています。
設計は伊東忠太という建築家です。
この人は法隆寺が日本最古の建築であることを学問的に研究して、建築家としては初めて文化勲章を受章しました。築地本願寺の設計もしています。
変わったものが好きで、妖怪のような象などを設置した独特な建築をしていました。
2014年4月より改修工事のため、4年間の休館予定です。

◆日本民芸館▼
駒場東大近くにあります。
「民藝」という新しい美術の概念の普及と、民藝運動の本拠地として、柳宗悦(むねよし)により企画された美術館。
どっしりとした構えの建物です。
民藝運動に参加したバーナード・リーチ、濱田庄司、河井寛次郎、芹沢銈介、棟方志功などの工芸作家が、ここを拠点として日本の近代工芸界に大きな流れを作っていきました。


◆松涛美術館▼
渋谷区松濤の住宅街の中にある区立の美術館です。
白井晟一という哲学者でもある建築家の設計。
若い時にヨーロッパに滞在して、左翼運動に関わりますが、帰国後は建築家として独自の建築を作り上げます。
美術館は1980年の作品です。
小さな出入り口が一つしかないため、大きなものは搬入できないという欠点があるそうです。
作品の展示だけではなく、区民が集まって雑談などをするようなスペースもあります。

◆ワタリウム▼
青山にある現代美術を集めた美術館。
マリオ・ボッタというスイス人の設計。1990年築。
この人は変わった建築をしています。
「ワタリウム」というのは館長の名前からとったものです。
(ここは、私は行ったことがありません。)


◆出光美術館▼
帝劇ビルの上の階にある美術館。
皇居方面が見渡せます。
出光興産の創業者である出光佐三が集めたコレクションが多数、収蔵されています。
設計は谷口吉郎。
金沢の九谷焼の家に生まれたそうです。多くの記念館や美術館、劇場などの建築を手がけました。
1966年に建てられて、2006年に改修されました。


◆山種美術館▼
初めは茅場町にあったが2009年に広尾に移転しています。
日本初の日本画専門美術館です。
創立者山崎種次のコレクションが収蔵されています。
LED照明にした効果があるそうです。
展示中の美術品と関係のある和菓子がいただけるカフェが人気。
着物割引があります。


◆サントリー美術館▼
この美術館は丸の内→赤坂見附→現在の六本木へと移転。
美術品以外にも焼き物など収蔵されています。
設計は隈研吾という現役の建築家です。
着物割引があります。
金沢の老舗がカフェを出しているので、そこの「ふやき弁当」がお薦めだそうです。

私はワタリウムは行ったことがありませんが、他はよく出かけています。

どの美術館に行くかは、展示される内容の興味のあるなしで選んでいたので、建築として見ることはあまりありませんでしたが、だだっぴろい敷地の美術館よりも、こじんまりとしていて、人が少ないところが好きですね。

次回は、実地踏査として三菱一号館にお出かけです。
「ワシントン・ナショナル・ギャラリー展」▼が開催中のようです。

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この日の装い。

かなり暖かい日でしたので、三河木綿にしました。
(遠州木綿だと勘違いしていましたが、こちらが正解です。)


この着物は、割と地が厚いので、着る時期を考えないと、暑くてたまらなくなります。

襟元は手拭い。
木綿の半襟は、つけるのも楽ちんですし、気分が良くなります。

帯は片面が格子、片面がグリーンという洒落袋帯です。
色合いは好きなのですが、なかなか合う着物がなくて、出番が少ない帯です。
帯を買うときは、あの着物に似合いそうだと、あれこれシミレーションするのですが、なかなか難しいですね。




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