2015年5月17日日曜日

2015年5月 旅の途中で読んだ本

旅行に出かけるときは、いつも数冊の本を抱えて行きます。

新幹線の中で読んだり、ホテルのベッドで腹這いになって読むのが大好き。
誰にも邪魔されない、優雅なひとときです。

2泊3日の旅行なら、3冊あれば足りるかなと思っていても、すぐに読み終えてしまいました。
それで、名古屋の大須にある古本屋さんで、1冊100円の本を追加しました。

今回の旅行では、こんな本をお供にしました。

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「心に吹く風 ―髪結い伊三次捕物余話 」
宇江佐 真理

伊三次シリーズも親の代の話から、息子・娘たちに移行しつつありますね。
髪結いの伊三次の息子で見習い絵師の伊予太と、北町奉行所の同心・不破友之進の娘で男勝りの茜の淡い恋心がうまく描かれています。
お話はいつも通り楽しめたのですが、それよりも気になるのは、宇江佐さんのあとがき。
ここで彼女は乳がんの宣言をしています。
その後の体調はいかがなのでしょうか。
こんなうまい小説を書く方には、長生きをしてもらいたいものです。

「一豊の妻」
永井 路子

郡上八幡に山内一豊とその妻の像があったので、ちょっと気になって、名古屋の古本屋さんで100円で見つけて、帰りの新幹線の中で読みました。
一豊の妻が、よく世間で言われているような「内助の功」、「妻の鏡」という評版の話とは少々違っていて、えっ?という感じでした。
これは短編集で、他にも乱世を生き抜いた女性たちの面白い内容がありました。

「アスクレピオスの愛人」
林 真理子

貧しい病気の子供を救うために、世界を股にかけてWHOのメディカル・オフィサーとして働く日本人の女医。
しかし、彼女は白衣を脱ぐと、性に貪欲に生きる一人の女だった。
そんな彼女を取り巻く愛人や元夫や崇拝者の男たち。
そして医者になることに懐疑的になっている彼女の実の娘。
アスクレピオスとは、、それは医術を司る神の名だそうです。

読んでいて、これを書くために林さんはかなり勉強をしたと思うのですが、やはりちょいと無理があるかなという感じ。

どういうのが本当の愛なのか、分からないわね。

「結婚の四季」
平岩 弓枝


幸せな結婚式を挙げて、ハワイへのハネムーン、夢のような新婚時代が過ぎてしまったあとに残るむなしさ?
結婚1年の間に、嫁と姑の問題、夫の浮気など、さまざまなトラブルに見舞われながらも、ひたむきに立ち向かうヒロイン。
まぁ、どうでもいいような小説でしたが、時間つぶしにはちょうどよかったかな。
平岩さんという方は、「御宿かわせみ」などのような時代小説や初期の小説では、あれほど重厚で、面白くて素晴らしいものをたくさんお書きになったのに、現代小説というとかなり陳腐になってしまうのが、不思議です。

ということで、旅行中も、女性作家の小説ばかり読んでいたのでした。








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