2015年10月30日金曜日

上野千鶴子さん講演会

ちょっと前になりますが、社会学者・上野千鶴子さんの講演会に行ってきました。
主催は一般社団法人コミュニティネットワーク協会▼というところでした。


会場は多摩センターにある「パルテノン多摩」でした。
ここはできてから30年近くになるのだとか。
できた頃は「白亜の殿堂」と言った感じでしたが、今では何だか薄汚れてしまい、階段だけが目立つところとなってしまいましたね。


上野さんは、私とほぼ同世代の方で、まだ東大でバリバリの頃から彼女の著書は読んでいましたが、当時はかっよくて威勢の良い方だと思っていました。

最近は「おひとりさま」という造語も浸透してきましたが、この用語を最初に言った人かもしれません。

そんな上野さんですが、現在は老後や介護のことも研究テーマとされていて、
「おひとりさまの老後」
「上野千鶴子が聞く、小笠原先生、ひとりで家で死ねますか?」
などの本も出されています。
「おひとり様の最期」という本が近日刊行されるそうです。

今回のテーマは「親も私も自然に生きる」でした。

ということで会場は団塊の世代や、もっと年上の世代の女性で満員でした。

上野さんは、ぱっと見には、とても小柄な女性で、話し言葉も時折関西弁を使っていて、チャーミングな雰囲気でした。
ただし、やんわりと政権や権力者批判をチクリとしていて、小気味よい感じでした。

年をとってから必要なのは、
まずは◆住居が中心。
そして◆年金(お金)
◆介護
◆医療
という要素だそうです。

世の中にはこれらの要素を全部含んだ複合施設もありますが、上野さん自身はそういうところでは過ごしたくない、とおっしゃっていました。
もちろん、すべて人任せで楽なようですが、私も周りが老人だらけという施設はちょっと入りたくない気分です。
自宅で最後まで過ごしたいという場合には、介護や医療などの多方面に目を配れる司令塔になる人の存在が必要だというお話でした。

また2025年という年は、団塊世代が後期高齢者に突入する年という特別な年になると断言されていました。
この頃には、首都圏も高齢化が進み、病院にも施設にも入れない「看取り難民」が増えるだろうということでした。
老人の4人に一人は認知症になり、その数は700万人に達するという予想があるそうです。

親も自分も幸せになるためには、
子供との同居はしないというのが一番だとか。

そして親が安心して死んでもらえるように、「親より先には死なない」というのが私たち世代の課題であるということでした。

第二部はパネルディスカッションでしたが、こういうのは概してあまり面白くないので、第一部の講演だけで失礼しました。

それにしても資料のお土産をこんなにいただいて、重くてたまりませんでした。


お墓の会社や老人ホームの会社が協賛していたからだと思いますが、上野さんの話の趣旨とはちょっと離れているような気もしますが。

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この日の装い。

9月下旬並みの暑さになるというので、藍染の綿ちりめんにしました。もちろん単衣です。


帯はたんすやさんで買った1000円の帯。

参加者の方に「素敵な帯ですね」とお褒めの言葉をいただきましたが、あっさりと「1000円です」と言ってしまって、ちょっと夢を破ってしまったかしら。

また私より少し年上の方から、
「着物はご自分で着られたのですか」と質問されましたが、ふだん着物を着るのに、わざわざ美容院などに行く人はいないと思うのですけどね。
結婚式に参加するわけでもないので、自分で着て当然ですよね。

私たち世代、あるいはその上の世代くらいの人は、「着物は誰かに着せてもらうもの」という意識が強いのでしょうか。
若い人の方が、自分で自由に着物を着ていて、良いなと思います。






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