2017年2月11日土曜日

”あ”から始まる和の響き

先日、地元のホールで「和楽器体験コンサート ”あ”から始まる和の響き」▼がありました。


私の住んでいるところでは、和のイベントは、わりとよく行われているようです。


今回のコンサートは3部から構成されていました。

第一部は、「聴く」ということで、普通の邦楽コンサート。
第二部は、「知る」ということで、和楽器の説明。
第三部は、「触れる」ということで、実際に和楽器に触れてみるという具合でした。

コンサートでは小鼓、大鼓、尺八、笛、箏の演奏がありました。
(この時は撮影禁止ですので、写真はありません。)

演奏前の舞台の様子です。


私は最前列に座って見ていたのですが、笛の福原百貴さんが目の前で弾いていて、私の足元を射るような目つきで演奏していたので、足を動かすことができず、キンチョーしました。

その後は、鼓の藤舎呂鳳さんが司会進行をして、それぞれの楽器の紹介がありました。
呂鳳さんは、いつもはオールバックでキリリとかっこよいのですが、実はかなりのおしゃべりさんのようで、想像していたお声とちょっと違って、親しみが涌く感じでした。

初めは大山 貴善さんの尺八から。


尺八はなぜ首を振って弾くのか、などのうんちくも面白かったのですが、私がびっくりしたのは、それぞれの楽器の楽譜でした。
私は三味線を習っているのですが、その楽譜は、五線譜と同じように三つの線が横に引いてあり、そして数字が書いてあります。そしてその数字の場所を弾けば音が出るので、そてもシンプルで分かりやすいのです。

ところがこれは何でしょう?
尺八の楽譜です。
縦書きに書かれていますが、全然読めません。


次はお筝の説明です。
とてもお若い谷富 愛美さんというお嬢さんでした。
お筝は長さが1メートル80センチ、重さは5キロもあるそうです。
運搬が大変ですね。


お筝の各部分の名称は、龍になぞらえているそうです。


こちらのタワーのような形のものは、音階を調節する柱です。


実は私の母は以前はお筝を習っていたのですが、山田流でした。
生田流と山田流では、お筝に対する座り方の角度や、爪につける道具の形の違いがあるそうです。

お次は笛の説明です。
笛には篠笛と能管があります。


笛はいつもこんなにたくさん持ち歩いているそうです。
なんと、48本あるとのことでした。


こちらは笛の楽譜です。
数字ばかりでよく分かりませんね。


次は小鼓、大鼓の紹介になりました。
まずはお雛様の「五人囃子」からの説明となりました。


こちらはスクリーンに映し出された小鼓。


小鼓は、左手で持って、右肩に乗せて、右手で打つ、ということを教えているところです。


立ち姿も説明していただきました。
すくっとしていて、かっこいいですね。


さて、こちらが鼓の楽譜です。
えっ? ですよね。


これは二人で弾く場合だとか。


こんなふうになると、まるで分かりませんね。


いずれにせよ、鼓は弾くことも大切ですが、掛け声が一番大事、ということでした。


最後には日本舞踊も披露していただきました。


和楽器というのは、指揮者がいなくても掛け声一つで揃うものです。
これは日本人のDNAにも関係しているようで、たとえば私たちは宴会の最後などに三三七拍子をよくしますが、これは外国人にはどうして揃うのか、なかなか理解しがたいものなのだということでした。
ちなみに三味線の場合も、「たて」と呼ばれる方が掛け声をかけて、みんなの音を合わせています。

今回の演奏家はみなさん若手ばかりで、とてもお話が上手で、プレゼン力があり、分かりやすくて楽しめました。

第三部は、楽器に触れるのはこれまでも体験したことがあるので、私は小さい子供に譲ってあげて、ちょっと遠慮して、会場を去りました。

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この日の装い。

和楽器の演奏会の時にはよく着用する小紋です。


模様が鼓なのです。


鼓の絵柄の着物や、帯はわりとよく見かけます。


帯はいつもの定番、白い西陣織です。




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